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美しき野鳥の装い [寺家(じけ)]

 最近野鳥の数が非常に減ったことを心配していますが、それでも森の中を歩き回るといろいろな鳥に出会えます。綺麗な鳥も地味な鳥もいます。カワセミやオシドリの雄など、一見して綺麗な鳥は当然人気があります。インスタ映えするからでしょうか。
 このことに最近疑問を持ち始めています。確かに綺麗な鳥は綺麗です。でも、一見地味な鳥も、よ~く見るととても綺麗なものが多いのです。翅や羽毛の構造を細かく見てみると、造形の美しさ、模様のグラデーションの見事さ、色の組み合わせの妙など、デザインのすばらしさに驚かせれることが多いです。
 これまでは、珍しい綺麗な野鳥の写真が撮れるとそれだけでウキウキとして満足していましたが、最近では野鳥を見る目が変わってきました。どんな野鳥も綺麗なのです。とてもおしゃれなのです。着物の裏地に凝る粋人のように、ちょっと見ただけでは気が付かないようなおしゃれもあります。人の目では識別できないほどの短時間に綺麗な翅をチラッと見せてくれる鳥もいます。
 今回は、最近気が付いた野鳥の美しい装いのいくつかを紹介したいと思います。

 まず、スズメです。地味な鳥の代表ともいえるでしょう。ほとんど毎日見かけますから珍しくもありません。でもこの写真を見て下さい。「なんだ、ただのスズメじゃないか」と思われるかもしれませんが、白・黒・茶の3色を巧みに配置したデザインが素晴らしいです。茶色は薄茶色から焦げ茶色まで何種類かを使い分けてシックなデザインにまとめています。茶色のブーツでも履かせたらとても似合いそうです。遠くから見ただけでは、ただの茶色の地味な鳥も、じつはたいへんおしゃれな鳥なのです。
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 次はジョウビタキのメスです。愛くるしい目をしており、私の好きな野鳥の一つです。可愛いのは顔だけではありません。翅の中の白い模様も綺麗に配置されていますし、胸の軟かそうな羽毛を触ったらモフモフで気持ちよさそうです。
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 次はシロハラです。シロハラの背中の羽毛はちょっと見ただけではただの茶色にしか見えませんが、よく見るといろいろな模様が編み込まれている織物のようです。しかも、その羽毛の下には別の模様が隠されています。左下の部分だけを拡大した写真も併せてご覧ください。虎の縞模様のような黒と茶の小さな模様がみえます。たいへん凝った作りです。また頭部の羽毛はデコボコ感があり、パンチパーマのような仏様の螺髪に似ています。
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 これまでシロハラは茶色・灰色・白色の地味な鳥と思って見ていましたが、細かく見るととても凝った衣装を身に着けていることが分かりました。これからはシロハラを見る目が変わります。

 ツグミです。畑の上を歩き回って虫などを啄んでいる地味な感じの鳥です。でも、メーキャップはすごいです。首の周りにも白粉を塗った歌舞伎俳優の化粧のようにも見えます。
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 胸まわり、お腹、背中、それぞれに違った模様がデザインされています。翅のデザインも凝っています。色は、白・黒・茶の3色ですが、いろいろな形のデザインを組み合わせています。背中の側から見ると、グラデーションがついてゆっくりと色が変化しています。風切翅の先端や尻尾のデザインも素晴らしいです。
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 シメの羽毛の質感はつるんとした蝋細工のような感じです。でも、もっと近寄って微細な構造が撮影出来たら、違った印象になるかもしれません。
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 これは、木の枝の上に片足でくつろいで止まっているアオサギです。アオサギの装いを見てください。相当おしゃれです。グレイと黒のツートーンカラーのコートを羽織り、白とグレイの毛皮のショールをまとっている貴婦人のように見えます。
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 ショールをまとった胸周りがおしゃれです。おなかの部分には白い翅の飾りがついています。
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 コートの裾の部分はしっかり仕上がっているように見えます。足元を見ると、何と、ストッキングにきれいな刺繍がしてあるようなおしゃれな模様があります。
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 アオジです。結構よく見かける鳥です。木の枝に1羽のアオジが止まっていました。この状態を1秒間に24コマの連写で撮りました。動きがないので同じような写真が数十枚撮れてしまいました。無駄な写真をたくさん撮ったと後悔していました。ところが、・・・。
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 その中にたった1枚だけこの写真がありました。尻尾の下から、全く違ったデザインの尾羽が出てきたのです。茶色の尻尾の下に隠されていたのは、白黒のツートーンカラーの翅です。時間はわずか0.04秒程度です。
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 白黒の翅が出た尻尾の部分だけ拡大しました。これは一体何の信号を発信したいのでしょうか? 着物の裏地をチラッと見せて自慢したかったのではないかと、勝手に想像していますが、「そんな短い時間で誰が感激するの?」といいたいです。
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 これまでは野鳥の写真を撮れただけで満足していました。とくに、今まで撮ったことのない野鳥の写真が撮れると、とても嬉しかったです。でも、少し自分の気持ちが変わってきました。珍しい野鳥の写真を撮っても、ほとんど野鳥図鑑に載っています。図鑑を見ても分からないのは、野鳥の細かい装いです。自分だけの観察写真を撮れるかどうかがとても大事になりました。
 そのような野鳥の微細な装いを見るのは簡単ではありません。遠くから望遠レンズで撮影しても外形だけの撮影ですから、トリミングしても細かい装いまでは見ることができません。できるだけ近寄って撮影しなくてはなりません。野鳥と仲良くなることがとても大事なことです。近くまで寄っても、逃げずにポーズをとってくれる野鳥がとても愛おしく思えます。
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