早野の豆柿 [早野]

早野にある農家の畑に1本の柿の木があります。柿の木そのものは珍しくありませんが、この柿の木はとても小さな実が生るのです。マメガキ(豆柿)です。

これは豆柿が生っている状態です。8月末の写真ですので、まだ実は青いです。直径は2センチほどです。秋になるとこの大きさのまま色付きます。
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10月末になると、ほかの柿と同じように綺麗に色付きました。一つつまんで食べてみましたが、渋くて食べられません。これは渋柿です。
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12月になるとさらに色が濃くなりました。
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とても綺麗なオレンジ色で、こうして見ると葡萄のようにも見えます。
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美味しそうに見えます。
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指でつまんでみると、柔らかくなっています。
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皮をむくと中から熟した実が現れました。普通の熟柿のようです。食べてみると甘いです。味も熟柿とほとんど同じです。大きな種はなく、小さな滓が口の中に残ります。まだ少し渋みがありますが、この後もっと寒くなって霜に当たると渋みは完全に消えるそうです。
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豆柿は見ても食べても楽しい柿です。盆栽にすることもあると聞きました。姫リンゴがリンゴのミニチュアとして盆栽にされるのと同じです。

柿の形は、丸いもの、扁平のもの、ちょっと尖った楕円のものなどがありますが、それほど大きな差はないと思っていました。でも、この豆柿は特殊です。柿にもいろいろあるものです。そういえば、中国の柿も変わっています。以前、私のブログ「北京ノスタルジア」で紹介しましたが、このようにくびれているのです。皮をむくのがちょっと大変ですが、味は日本のものと同じです。
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このように、ふだん何気なく見たり食べたりしている柿にもいろいろあって楽しいです。

早野のミドリシジミ [早野]

これまで蝶々についての知識はほとんどありませんでした。白い蝶はモンシロチョウ、黄色い蝶はモンキチョウくらいに考えていました。しかし、最近フェースブック友達のKさんに教えて貰って、早野の里山でミドリシジミが見られるというので行ってみました。

以前、「早野の炭焼き」を紹介しましたが、その炭焼き窯のすぐ前はハンノキの林になっています。ここにミドリシジミがよく現れるというのです。行ってみると、Kさんだけでなく蝶の愛好者が7-8人来ていました。

これは私が初めて撮影したミドリシジミ(オス)です。とても綺麗な緑色をしています。
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見る角度によって色がずいぶん変わります。陽が射して光が強くなると緑色が見えにくくなり、黒くなりました。
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翅の表は派手な色ですが、裏は地味な色です。
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これはミドリシジミを真正面から撮影したものです。折り畳んだ翅の外側は地味な茶色ですが、内側の派手な緑色がのぞいています。
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最初に書きましたように、白い蝶々はモンシロチョウと思っていましたので、これもモンシロチョウだと思っていました。でも図鑑を調べると、これはスジグロシロチョウでした。最近はモンシロチョウよりたくさん飛んでいます。
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これも以前の私はモンシロチョウだと思っていたものです。Kさんに教えてもらいました。アカボシゴマダラの白化した個体でタテハチョウの仲間です。
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前回のブログでウラナミアカシジミの写真を載せましたが、これはアカシジミです。
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これはルリシジミです。翅の表は青紫色をしていますが、閉じたところしか撮れませんでした。
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これはツバメシジミです。
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これはイチモンジチョウのメスです。タテハチョウの仲間です。
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このあともしばらくタテハチョウの仲間が続きます。これはコミスジです。
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これはヒメアカタテハです。
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テングチョウです。鼻先が天狗の鼻のようになっているのでこの名がついたとか。
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里山ボランティアの人が教えてくれました。これはメスグロヒョウモンのオスです。地面の中のミネラル分を吸っているようです。
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これは翅を開いたところです。綺麗なヒョウ柄が見えます。
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前回のブログでジャコウアゲハの卵を載せましたが、それが幼虫になりさらに蛹になったところです。自分の体をしっかりと山百合の葉に固定し風に飛ばされないようにしています。本能に支配されているとはいえ、生命の誕生は不思議なことばかりです。
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蝶々ビギナーの私がこのひと月ほどで撮影した写真を掲載しました。これまでは蝶が飛んでいても、「あ~、綺麗な色をしているな」くらいにしか感じなかったのですが、少しずつ名前が分かってくると、楽しさが倍増します。
これからはカメラぶら下げて里山を歩いていても、気を配る範囲が増えました。四季折々に自然が見せてくれるドラマは、どんなテレビドラマより感激があるように思います。

早野の春の感謝祭 [早野]

以前のブログ「早野の炭焼き」で里山ボランティアの人たちの活動を紹介しました。それ以来、早野の里山にはよく出かけています。ボランティアの人たちとも仲良くなりました。先日(4月20日)、ボランティアの人たちの活動拠点で「春の感謝祭」が開催されました。私も飛び入りで参加させて貰いました。

早野の里山は寺家ふるさと村より山深く、訪ねる人も少ないのでより自然が残っています。今の季節、ここを歩くと新緑を通って来た風が心地よく感じます。新緑の向こうにもさらに新緑が広がっています。とても綺麗です。
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頭の上で「キー」という鋭い鳴き声がして見上げると、ヒヨドリがいました。まだ幼鳥で親鳥を呼んでいるようです。
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山の尾根筋を歩くと山藤が垂れています。
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その横をメジロが飛び回っていました。
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タラの芽が逆光の中に輝いていました。天ぷらで食べるにはちょっと大きくなり過ぎています。
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キンランもあちこちに咲いています。とても綺麗です。
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こんな恵まれた環境の中で里山ボランティアの人たちの「春の感謝祭」が催されました。
数人のボランティアの人たちが竹林に入り、筍を掘り出して来ました。採れたての筍をこれからいただきます。
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そのほかにボランティアの人たちが栽培した、椎茸、菜の花、人参、サヤエンドウ、などが盛り付けられています。
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山の中に入れば食材の宝庫です。イタドリ、ヤマミツバ、タンポポ、レンゲ、柿の葉、そして椿の花びらなどです。初めて食べる食材もたくさんありました。
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このピンク色のものが椿の花びらです。そのまま食べても微かに甘味があります。
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これらの具材は天ぷらにして食べます。筍は天ぷらのほかに皮ごと焼いた焼き筍も作られました。
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鉄板の上では鶏肉、牛肉、そして焼きそばなどいろいろなものが焼かれています。
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焚き火の周りには粘土で作った茶碗が並べられています。まるで縄文土器です。まさしく、「ワイルドだろぉ!」の世界です。
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食事が一段落すると大きな木挽鋸を使って、もと棟梁の指導で大木を4枚に切り出してテーブル板を作ろうとしています。
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これは棟梁が木挽鋸を使っている様子です。いとも簡単に切っているように見えますが、なかなか難しいです。私もやってみましたが、最初はびくともしません。指導を受けて何度かやってるうちに少し挽けるようになりました。


野性味あふれる食材をいただき、ボランティアの人たちと楽しく語らうことができた有益な「春の感謝祭」でした。自然の恵みに感謝する気持ちを忘れず、自然と共生することはとても大事なことだと実感しました。

早野の炭焼き [早野]

早野というのは鶴見川を挟んで寺家の反対側に位置する里山です。ここは寺家よりもっと昔のままで自然が残っています。
ここには「里山ボランティア」の人たちが70名ほどいて、山里の自然の維持をしています。毎年1月にはこの山で間伐したコナラ、シラカシ、竹などを用いて炭焼きが行われます。野鳥を追いかけてこの近くを歩いている時、「GGIさん」と声かけられました。なんと以前の職場で30年以上前から付き合いのあったHさんでした。Hさんは一昨年退職して、このボランティアグループで活躍していました。Hさんの紹介でこのグループの炭焼きを詳しく見せて貰いました。
これが炭焼き小屋です。
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年が明けて最初の窯入れの時にはお供えが飾られていました。
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ボランティアの人たちは、薪割りや炭の原木割りに大忙しです。
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Hさんも原木割りに精を出していました。直径30センチ近くもあるコナラの丸太を見事一刀両断にしました。これだけの大きさの丸太を一発で割れる人はボランティアの中にも数名しかいないそうです。Hさんは北海道出身で子供のときから薪ストーブの薪割りをしていたそうで、流石に手馴れたものです。
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炭の原木の窯入れが始まりました。
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うまく原木が積まれているか丁寧にチェックします。
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これが窯の中いっぱいに並べられた原木です。
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いよいよ窯の入り口で火が付けられました。
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点火してから原木に火が着く(着火)まで7-8時間ほどかかるそうです。その間、交代で薪を燃やし続けます。
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長丁場です。正午前に点火してから5時間ほど経つと日暮れが迫って来ました。お腹がすいたので、皆でカップ麺をいただきました。
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西の空を見ると、空は茜色に輝き木々がシルエットに浮かび上がっていました。
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昨年の暮れにボランティアの人たちが臼と杵でついた餅が出てきました。炭窯の燠(おき)の上で焼いて安倍川餅にしていただきました。寒い中、その美味しいこと、この上なしでした。
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小屋の外の煙突からは白い煙がモクモクと出始めました。出た煙はステンレス板にぶつかり、上の煙突の中に吸い込まれて行きます。ステンレス板にぶつかって煙の中に含まれていた木酢液が液化して雫となって下に落ちて行きます。こうして木酢液が取り出されます。
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これは入口の火を取り出して窯の中を覗き込んだものです。炭の原木に着火しています。
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窯の封じが始まりました。小さなパイプの空気孔を残すだけで窯の口を粘土で固めます。
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下の空気孔だけを残し窯の入り口が塞がれました。
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こうして中の木や竹は蒸し焼き状態になり、3日程すると炭になります。

今回初めて炭作りの現場を見せて貰いましたが、これを生業として生きて行くには大変な作業だと思いました。でもボランティアの方々は皆楽しそうに生き生きと作業されていました。とくにこの会の会長さんが言った言葉、「こんなことをして遊べるなんて、最高の贅沢だよ」というのが印象的でした。

早野の棗(ナツメ) [早野]

今日は寺家から少し離れた早野のほうに行って見ました。以前のブログ「寺家ふるさと村はどんなところ?」の地図(寺家ふるさと村案内図)にバス停の場所が示してあります。

少し歩いていると棗(ナツメ)の木が植わっている家がありました。
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小さなりんごのような実です。この実は丸いですが、中国で食べた棗はもっと楕円形で、ラグビーボールを小さくしたような形でした。生で食べるとりんごの味がしました。
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小さな棗の実がたくさん生っていました。
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中国では四合院作りの中庭に棗の木を植えてあることが多いです。私が中国に駐在している時、四合院作りの住宅に住んでいた中国人社員のCh君は、今頃になると自宅の庭で採れた棗の実で一杯になったビニール袋を持ってきてみんなに振舞ってくれました。

棗の家の近くに柿の木が植わっていましたが、その柿の木にカラスウリがもう赤く熟れてぶら下がっていました。
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寺家の熊野神社の彼岸花は開花が遅れていましたが、今日は満開でした。
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神社に登る階段から見た山田谷戸です。
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何処からともなく、金木犀の香りが漂っていました。寺家はいま秋真っ盛りです。

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