寺家とその周辺の秋(Ⅱ) [寺家(じけ)]

今年の秋はいつまでも暑さが続いたり、大きな台風が襲ったりして、例年のような静かな秋というわけには行きません。それでも季節は確実に進み、一歩一歩冬に向かっています。
寺家の秋も進みました。最近の寺家とその周辺の秋をお伝えします。

寺家からすぐ近い山の中でトリカブトの花が咲いていました。猛毒のトリカブトがこんな身近なところに自生しているとは知りませんでした。トリカブトはその根だけでなく、花や茎にも毒があるそうですが、こうして写真に撮ってみると毒花とは思えないほど可憐です。
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ミズヒキには赤い花だけでなく、白い花のギンミズヒキ、黄色い花のキンミズヒキがありますが、やはり赤いミズヒキがいちばん多く咲いています。とても小さな花ですが、こうしてアップで見ると綺麗な花です。
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寺家ではあちこちの湿地でミゾソバがたくさん咲いています。赤いミゾソバは何度かアップしましたが、白いミゾソバもあります。
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これは変わった形の花です。イヌショウマです。たくさん見かけました。
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寺家からほど近い町田の高蔵寺の庭には萩が綺麗に咲きました。
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寺家の谷戸の奥でひっつきむし(オオオナモミ)を久しぶりに見つけました。子供のころ、これを投げ合って衣服にくっつけて遊んだものです。いまの子供に見せても「何これ?」という感じでしょうね。
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寺家の山奥で小さな花を見つけました。オオイヌノフグリより少し大きめの花です。アップで撮るとこんな小さな花も精巧に作られています。自然の造影美に脱帽です。ネットで調べたら、コフウロ(小風露)のようです。
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寺家にマヤランが咲いています。とても珍しいです。結構長い期間咲いています。
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ヒヨドリジョウゴの実が赤く色付き始めました。直径1センチほどの小さな実です。
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寺家の森の中で頭上を見上げるとアケビの実がなっていました。もう種が飛び出してしまった(あるいは野鳥に食べられた)ものもありますが、皮の部分は天ぷらにしたら美味しそうです。
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寺家の隣の三輪町の山奥に入ると、アキノギンリョウソウ(秋の銀竜草)が顔を出していました。別名幽霊茸とも呼ばれています。
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綺麗な白いキノコです。でも、これは日本で一番毒性の強いキノコ、ドクツルタケです。欧米では死の天使(destroying angel)と恐れられているそうです。これまでテングダケが一番の猛毒キノコかと思っていましたが、もっと強い毒キノコがあるのですね。
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一時期、雀の減少が話題になっていましたが、最近また増えているように思えます。とくにこの季節は餌が豊富で、集団で飛び回っています。やっと集団の写真が撮れました。
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雀の集団を見て、私が中国駐在中に聞いた面白い話を思い出しました。中国の文革のころの食糧難に喘ぐ農民が集団で雀を捉える話です。農民は相談して雀の止まりそうな場所に分散して待機します。雀の集団を見つけたグループは、鐘と太鼓の音で雀を脅して飛び立たせます。雀の集団が飛んで行った先には別の農民グループがいて、彼らも鐘と太鼓を打ちならします。雀というのは連続して5分くらいしか飛べないそうです。このため、どこへ行っても鐘と太鼓で脅された雀はヘトヘトになって飛べなくなり、ポロポロと地面に落ちてきます。農民はそれを手で拾って袋に詰め込みます。こうして沢山の雀が捕まえられたそうです。最初この話を聞いた時、「よく出来た話だけど、眉唾くさいなあ」と思いました。ところが、中国で生まれ18歳まで中国に住んでいたという日本人が私と同じ会社に勤めていて、彼自身の口から「私も雀狩りに参加しました」というのを聞いて信じざるを得なくなりました。

話題は変わります。寺家の谷戸に案山子が登場しました。この案山子どこかで見たようだと思ってよく見ると、マイケルジャクソンをモデルにしているようです。
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蜘蛛が独り言で、「なんだ~? 信号は赤か青か? 俺はどの信号を見ればいいんだよ~???」と言っている感じの写真を撮りました。太陽光を受けて光っている蜘蛛の巣の向こうにある葉っぱが、たまたま緑色、黄色、赤色、などに輝いていました。蜘蛛の巣にピントを合わせ、葉っぱをぼかした結果こうなりました。
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アカボシゴマダラの翅の部分をアップで撮影しました。黒い翅にくっきりと赤い斑点が見えます。
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ホシホウジャク(星蜂雀)が花の蜜を求めて飛び回っています。空中でホバリングしながらストローのような長い口を伸ばして上手に蜜を吸っています。
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蜜を吸い終わって花から離れると、このストロー状の口はクルクルと丸まって渦巻状になります。見ていてとても面白いです。
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三輪町の畑の脇に猫じゃらし(エノコログサ)が沢山あって逆光に輝いていました。
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寺家の夕焼けが綺麗な日がありました。赤く焼けた雲が空高く伸びていました。夕焼けを強調するように画像処理してみました。油絵調の写真になりました。
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秋はいろいろな花や木の実、キノコ、蝶々、昆虫などが豊富に見られます。寺家とその周辺を歩くと、毎回目新しいものに出会えます。冬が来るとそれらが少なくなりますので、今のうちにいろいろな出会いを求めて歩き回っています。
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コメント 16

がり

青白い顔のマイケル
夜見るとかなり怖そうですね。^^;
by がり (2013-10-21 11:21) 

チングルマ

ひっつきむし… 懐かしいです。
雀狩りはストップウォッチ持って、試してみたいですね。
by チングルマ (2013-10-21 15:00) 

mamii

幽霊茸、初めて見ました、変わったキノコですね。
by mamii (2013-10-21 15:22) 

sarusan

アケビが美味しい時期に成っていますね。
鳥と競争に成りそうです。
by sarusan (2013-10-21 15:26) 

侘び助

ひっつきむし・・・体に一杯つけて遊んだ時代が
懐かしいです。
by 侘び助 (2013-10-21 15:37) 

ヨッシーパパ

足立区に居た頃、ひっつき虫で遊びました。
もう40年以上も前のことですが。
by ヨッシーパパ (2013-10-21 18:53) 

セイミー

昔は秋の山道を歩くと必ずアケビの実に出会ったものですが
最近は木は見るけど実成が少ないですね
by セイミー (2013-10-21 19:03) 

斗夢

去年トリカブトを見たところに行ったのですが今年はありません。
毎年同じ所に咲くのではないのかなと思っています。
by 斗夢 (2013-10-21 20:30) 

風来鶏

「自然のものなら大丈夫!!」と言う人がいますが、トリカブトも"自然のもの"ですよね(^^;;
今日、職場(排水処理場)で小さな蛇を見掛けましたが、どうもマムシの子供みたいでした(・・;)
by 風来鶏 (2013-10-21 22:09) 

GGI

たくさんのnice!とコメントありがとうございます。

ガリさん、日が暮れたらここに来るのは怖いですね。

雀の飛ぶ様子を見ていると、なんとなく雀狩りの状況が想像できますね。

mamiiさん、私も幽霊茸を見たのは初めてです。

sarusanさん、鳥は美味しい時期が良く分かるのですね。もうすぐ食べごろだと思っていると、すでに鳥に食べられていますね。

侘び助さん、ひっつきむしは子供のころの思い出で、ほんとに懐かしいですね。

ヨッシーパパさん、子供のころひっつきむしで十分楽しく遊べたのですよね。今の子供はそうは行きませんね。

セイミーさん、たしかに自生のアケビがなかなか見つかりません。少なくなりましたね。

斗夢さん、野草は毎年咲かないものもあれば場所を変えるものもあり、去年咲いていたからといって必ずしも今年も見られるとはかぎりませんね。

風来鶏さん、自然のものでも怖いものはたくさんありますね。いろいろなバランスの上に自然が成り立っているのでしょうね。
by GGI (2013-10-22 08:16) 

KOBU

ヒヨドリジョウゴの実はヒヨドリの好物なのでしょうか。おいしそうですね。
by KOBU (2013-10-22 15:03) 

GGI

KOBUさん、ヒヨドリジョウゴは必ずしもヒヨドリが好んで食べるわけではないようです。ソラニンを含んでいるので食べられないそうです。
by GGI (2013-10-22 17:27) 

まっちゃん

ヒヨドリジョウゴ、うちのベランダでも咲いたのを思い出しました。
ヒヨドリが運んで来たのかもしれません。
確か実に毒が有った様な...
by まっちゃん (2013-10-24 15:26) 

GGI

まっちゃんさん、ベランダでヒヨドリジョウゴですか、いいですね。実にはソラニンという毒があるようです。
by GGI (2013-10-24 16:46) 

六日のアヤメ

当地に30年前引っ越してきたとき、「ギンリョウソウ」を発見して興奮したことを思い出します。それ以来見たことがありません。寺家のようにある程度保護していかないと、どんどん植生が変わるのかもしてませんね。
先日図書館のお話し会に「オナモミ・カラスウリ・トチノミ」などスタッフが持ち寄って飾りました。「オナモミ」を投げてしばらく遊びました。
by 六日のアヤメ (2013-10-24 18:00) 

GGI

六日のアヤメさん、寺家でも野草を持ち去る人がいたりして、去年咲いていた花が見えなくなるのは残念です。
by GGI (2013-10-24 21:20) 

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