夏はそこまで [花鳥風月]

朝の寺家で一生懸命農作業をしている人がいました。しばらく佇んでその様子を見ていると、頭の中に「力耕不吾欺」という詩が思い浮かびました。力耕吾を欺かず:頑張って耕せば裏切られることはない、という意味です。私の好きな陶淵明の詩「移居」の一節です。 寺家ではもう田植えが始まっています。こうした地道な努力の積み重ねによって、秋になると美味しい米が収穫できます。
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寺家とその周辺では春も過ぎ、夏がそこまで来ています。これは前回のブログにも掲載した朴(ホウ)の花です。朴の花は見頃の期間が短く、ひとつの花の見頃は1日くらいです。1日遅れると茶色っぽくなって萎れてしまいます。何度も寺家に行き、ちょうど見頃の花を見つけました。嬉しいです、やっとアップに耐える花に出会えました。とても綺麗です。
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田圃の脇ではアザミも咲き始めました。
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農家の庭先には綺麗なカルミアが咲いていました。中国に駐在していた時、肉厚がわずか0.5ミリほどの極薄の景徳鎮の白磁を見て感激したことがあります。この花を見ていると、極薄の陶磁器でできているような錯覚を覚えます。
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寺家の山奥ではフタリシズカがひっそりと自生していました。山奥でこういう花に出会うと心和みます。
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早野に行く途中の農家で珍しい竹を見つけました。亀甲竹(キッコウチク)です。もともと孟宗竹の突然変異だそうですが、節が交互に斜めになっています。京都府ではこの竹を使った製品を伝統工芸品に指定しているそうです。でも竹細工に使うのは難しそうです。
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早野では綺麗なバラが咲いている家がありました。赤いバラと背景の畑の色がマッチして良い感じの色の組み合わせになりました。
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また別の家には青いバラが咲いていました、ブルームーンでしょうか、とても綺麗です。
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早野の山奥ではクサイチゴが沢山実を付けていました。ビー玉ほどの小さな実ですがこうして拡大するととても綺麗です。
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さらに山奥では野生の茱萸の実が生っていました。子供のころ口に入れて感じた渋みが、ついこの間のことのように思い出されました。
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藤が丘のもえぎ野公園に行くと、睡蓮が咲いていました。これを見ると夏の雰囲気です。
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睡蓮の葉の上をぴょこぴょこ歩いている鳥がいました。バンです。嘴の赤と黄色のツートンカラーが特徴です。赤と緑の足も珍しいです。
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睡蓮の葉の上に可愛い鳥がいます。カルガモの雛です。
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生まれて一週間くらいでしょうか、産毛の黄色から茶色に変わりつつあるところです。
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全部で8羽の雛がいました。一生懸命泳いで親の後を追いかける姿は見ていて微笑ましいです。
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前回のブログで示した寺家の大池のカイツブリは二個の卵を産み抱卵しました。でも、その後の強風にあおられて枝が持ち上がり、卵は水没しました。その二日後にはまた産卵して抱卵しています。この逞しさには脱帽です。
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寺家とその周辺では季節が春から夏に移りつつあり、野草や樹木のいろいろな花が咲き、野鳥や蝶々、そして蜻蛉などが活発に飛び回っています。
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Hide

畑を耕す人を見る事が出来無い新宿です。
季節の花々がとても綺麗・・・水連を見るのは久し振りです!
亀甲竹ですか?初めて見ますが珍しいですね〜驚き。
カルガモの親子に癒されました・・・ありがとう。
by Hide (2013-05-24 19:08) 

がり

自然に囲まれたいいところにお住まいですね。
うちも地方の田舎ですが、
中途半端な田舎で、誇れる自然はあまりないのが残念です。
by がり (2013-05-24 19:26) 

beny

これがホウの花ですか。
バードカービングでよくホウの木が使われますね。
by beny (2013-05-24 20:09) 

風来鶏

カルガモのチビちゃん達、可愛いですね^^
by 風来鶏 (2013-05-24 20:17) 

美美

長野の実家でももう田植えが終わったそうです。
そう聞くと季節の移り変わりを感じますね。
カルガモの赤ちゃん可愛いですね(^^
by 美美 (2013-05-24 20:39) 

くまら

バンだ!まだ見た事のない鳥さんです
by くまら (2013-05-24 20:42) 

ニッキー

ご訪問&niceありがとうございます(^^)
『バン』という鳥、何度か見ましたが名前が分からなかったんです(*_*)
おかげですっきりしました<(_ _)>
親の後ろを追いかけるひな鳥達、とても可愛いですねぇ^m^
by ニッキー (2013-05-24 21:35) 

侘び助

バスツアーの飛騨路にホウの花や桐の花山藤など
沢山咲いていました。高所に咲く花撮るの大変ですね。
by 侘び助 (2013-05-24 22:08) 

なんだかなぁ〜。横 濱男です。

亀甲竹、初めて見ました。
朴の花、カルミアの花」も見てみたい物ですね。
by なんだかなぁ〜。横 濱男です。 (2013-05-25 07:16) 

GGI

たくさんのnice!とコメントありがとうございます。

Hideさん、新宿では田畑を探すのは無理ですね。私の花々やカルガモの写真を気に入って頂きましてありがとうございます。

ガリさん、寺家とその近辺には昔ながらの自然が残っていて、いろいろ楽しめます。毎日カメラ持ってぶらついています。

benyさん、朴の木は硬いのでバードカービングには向いているのでしょうね。昔は下駄の歯に使った朴歯下駄がありましたね(今もあるのかもしれませんが)。

風来鶏さん、カルガモの雛はとても可愛いです。でもカラスに襲われないか心配です。

美美さん、長野でももう田植えが済みましたか。田植えは一年のうちの季節の移り変わりを示すイベントの一つですね。

くらまさん、私もバンは去年初めて見ました。どこにいるかが分かりましたので、最近はよく見ています。

ニッキーさん、バンの嘴の色が特徴ですね。同じような鳥で嘴が黄色いオオバンもいます。

侘び助さん、この朴の花も高いところに咲いていたので、私も丘の上に上って撮りました。撮影がたいへんですね。

なんだかなぁ〜。横 濱男です。 さん、カルミアの花は最近自宅に植えている家が増えましたので、見つけやすいと思いますが、亀甲竹や朴の木は珍しいですね。
by GGI (2013-05-25 15:03) 

六日のアヤメ

カルガモやバンなどの水鳥は当地の池でも見かけますが、遠すぎて全身を見ることができないで、もどかしく思っていました。嘴が赤いからバンなのかなと・・・睡蓮の葉の上を歩くバンを紹介くださいまして嬉しいです。動くかわいい動きが、目に浮かんできそうです。
by 六日のアヤメ (2013-05-26 05:50) 

kazu-kun2626

カルガモの親子いいですね~
癒されますよ(笑)
by kazu-kun2626 (2013-05-26 07:17) 

チングルマ

季節の移り変わりが、めまぐるしく
カメラ持って一日中歩き回っても、飽きないですね。
たくさん歩けば、お酒も美味しくいただけます♪
by チングルマ (2013-05-26 14:48) 

GGI

六日のアヤメさん、バンの足まで見えるの機会は少ないですね。カルガモに限らずどの動物も子供は可愛いですね。

kazu-kun2626さん、雛の動きをじっと見ているだけでも心が和みますね。

チングルマさん、毎日いろいろな変化があって楽しいですね。そう、たくさん歩いた後のお酒は格別ですね。
by GGI (2013-05-26 15:40) 

オレンジポピー

寺家は本当に素晴らしいところですね^^
カイツブリの抱卵、わくわくします♪
by オレンジポピー (2013-05-26 22:49) 

さる1号

睡蓮の葉に乗った雛達、愛らしいですねぇ
季節の移り、今年は妙に早いですねぇ
by さる1号 (2013-05-27 12:14) 

GGI

オレンジポピーさん、カイツブリはこれまで2回も卵を流されてしまいました。3度目の今回は無事に雛が生まれてくれるといいのですが。

さる1号さん、今年は早い桜の開花に始まってすべて開花が早いですね。温暖化のせいですかね。
by GGI (2013-05-27 13:48) 

mwainfo

ご多忙中いつもお寄りいただきありがとうございます。朴の花、先日、昭和記念公園で見かけました。心がゆったりするような花です。バンという鳥、初めて見ました。睡蓮の葉の上を歩くのは、ユーモアが感じられます。
by mwainfo (2013-05-27 20:55) 

GGI

mwainfoさん、朴の花や泰山木の花のように大きな花は心が癒されますね。私もバンが睡蓮の葉の上を歩くのを初めて見ました。
by GGI (2013-05-28 07:43) 

kohtyan

朴の花、綺麗ですね。景徳鎮もいいですね。
クサイチゴのクローズアップ、初めて見ました。
バンの足が赤と緑、珍しいですね。
by kohtyan (2013-05-29 15:32) 

GGI

kohtyanさん、今の季節はいろいろな花や果実が豊富で、野鳥の動きも活発ですね。
by GGI (2013-05-29 17:18) 

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