竹細工の道具 [竹細工]

竹細工を習い始めて約1年半になります。まだまだ駆け出しですが、作るたびに新しい発見があり、楽しく学んでいます。
今日はそんな竹細工の道具の紹介と最近の作品をご紹介します。

竹細工を作るにはいろいろな道具が必要です。その中の大半はホームセンターでも買える汎用品です。ナイフ、ペンチ、ニッパー、ピンセット、鋸、などです。ただ、どうしても竹細工に必要な特殊な道具がいくつかあります。

これは竹割用のナタです。この切れ加減が絶妙なのです。切れすぎず、鈍すぎず、竹の繊維を傷つけないで素直に竹を割るには最適です。これ一本で筒状の竹から竹細工に使う厚さ0.3mm、幅3mmくらいの材料を切り出すことができます。
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これは竹細工の師匠のKENさんが作った幅決め道具です。ナタだけで大雑把には竹の幅を決めることができますが、正確に決めるにはこの道具を使います。二枚のカンナの刃を向かい合わせて、その刃の間隔を必要な幅に固定します。この間に竹を通すことによって正確に幅を決めます。
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竹の厚みもナタで大雑把には決まりますが正確にはこの道具を使います。これもKENさんの手作りです。横に置いたテフロンのスペーサと同じ厚みの竹を削り出すことができます。
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これはこうもり傘の骨を使った竹通しです。1~1.5mm幅の細い竹を狭い隙間に通すためには不可欠な道具です。
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竹細工に用いる竹は真竹を使うことが多いです。これは節と節の間隔が長く、割り易いためです。真竹の表面加工にはいくつかあります。①そのままで青竹として使う、②表面の薄皮を削いで綺麗な表皮が出た状態で使う、③表面をバーナーで焦がして黒竹のようにして使う(擬似黒竹)、④苛性ソーダで煮て色素を抜いて白竹として使う場合などがあります。

この写真は真竹の表面をバーナーで焦がした擬似黒竹です。節と節の間隔は長いもので45cmあります。黒竹を使うほうが見栄えも良いのですが、黒竹は節間が比較的短いので節のない長い竹を使いたい場合には擬似黒竹を用います。
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この4本の竹から節の無い部分だけを切り出したものです。
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最終的に6mm幅の竹を使えるようにするため、竹筒状態から7mm幅に切り出したものです。約1.8mの真竹1本分から切り出した竹がこうなりました。
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こうやって竹の材料を揃える迄がたいへんです。竹を買って来てから竹細工が完成するまでの時間の7割は材料準備に掛ってしまいます。

材料が揃えば、あとは組み上げる作業に入ります。作例をご紹介します。こればKOBUさんが作った挿し六つ目編みによるお盆です。
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編み目を拡大してみると、6mm幅の青竹の六つ目編みの間に、3mm幅の擬似黒竹を挿し込んで作られています。さらに1.5mm幅の晒し白竹がアクセントを添えています。
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このお盆はリバーシブルで裏表両面が使えます。裏面は六つ目菊編みで作られています。KOBUさんはこのお盆をテーブルの上に置いて、上に果物などを乗せて使っているそうです。その日の気分で裏と表を使い分けています。

これは私が作成中の六つ目菊編みで作ったパネルです。実はこのパネルを何に使おうか未だに悩んでいます。これに飾り紐を付けて色紙掛けにするのが一番簡単ですが、この周りにも竹細工を入れて照明器具にすることも可能です。仲間はこれを蓋にして六角形の宝箱を作ったらどうかと勧めてくれます。宝箱など作っても入れるものがありませんが、チャレンジとしては面白いです。今完成しているのは、箱の上蓋の天井部分だけですから、上蓋の壁面、内箱の壁面にそれぞれ6枚×両面で計24枚の竹細工が必要です。上蓋の内天井面と内箱の底面にも必要です。全部であと26枚、一年掛かりの計画になりそうです。
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このパネルの編み目を拡大したものがこれです。3mm幅の表面削り竹と擬似黒竹で作った六つ目編みを1.5mm幅の表面削り竹で六方向に結んでいます。
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まだまだ完成までは道遠しですが、何を作ろうかと考え込むのも嬉しい悩みです。
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YUTAじい

こんばんは。
素晴らしいツールと作品・・・私も冶具等利用しますが・・・。
奥が深くてそそられます、良い作品作るのには時間との勝負ですね。
by YUTAじい (2012-12-13 17:43) 

旅爺さん

これらの作品は実に素晴らしいですね。
美術品とか芸術品で飾り物ですね。
by 旅爺さん (2012-12-13 18:04) 

獏

素晴らしい細工ですね(驚)
和の細工は拝見するだけで和みますね(^^)

by 獏 (2012-12-13 18:43) 

リンさん

素晴らしいですね^^
by リンさん (2012-12-13 18:56) 

風来鶏

師匠の作られた作品は、最初は箱根の"寄木細工"かと思っちゃいました^^
ggi さんの作品も、甲乙つけ難い位素晴らしい作品です!!
by 風来鶏 (2012-12-13 19:58) 

mamii

素晴らしい作品ですね、奥が深いですね。
by mamii (2012-12-13 20:44) 

ryuyokaonhachioj

素晴らしい竹細工が、素敵な作品ですね。
by ryuyokaonhachioj (2012-12-14 06:42) 

GGI

たくさんのnice!とコメントありがとうございます。

YUTAじいさん、そうですね、やはり良いものを作ろうとすると手間暇かかりますね。

旅爺さん、お褒めの言葉ありがとうございます。とりあえずは壁に飾っています。

獏さん、お褒めの言葉ありがとうございます。やはり竹は和の世界ですね。

リンさん、お褒めの言葉ありがとうございます。

風来坊さん、お褒めの言葉ありがとうございます。竹細工にしろ寄木細工にしろ、幾何学模様が綺麗ですよね。

mamiiさん、お褒めの言葉ありがとうございます。そうですね、私にはまだまだどこまでも奥があるように思えてます。

ryuyokaonhachiojさん、気に行って頂きましてありがとうございます。
by GGI (2012-12-14 14:06) 

ナツパパ

素晴らしい作品、堪能しました。
by ナツパパ (2012-12-14 15:58) 

青い鳥

竹細工をお始めになって1年半しか経っていないなどとはとても思えません。
よほど熱心に取り組まれていらっしゃるのでしょう。
素晴らしい作品に目を見張りました。
by 青い鳥 (2012-12-14 17:16) 

GGI

ナツパパさん、楽しんで頂きましてありがとうございます。

青い鳥さん、お褒めの言葉ありがとうございます。素晴らしい師匠と楽しい仲間に囲まれて頑張っています。
by GGI (2012-12-14 19:13) 

六日のアヤメ

30代の頃有志で革細工をしていました。職場が変わって忙しくなりできなくなりましたので革と工具が物置に置きっぱなしになっていました。先月工具を捨て、今後悔しています。どの作品も素晴らしくほしくなりますね。工具が先生の手作りと伺い感心しています。青竹から処理をしていろいろな色や幅を作り編み込まれるようですが、1つのパーツを考えるだけでも楽しそう(頭を使いそう・・・)ですね。

by 六日のアヤメ (2012-12-15 06:38) 

GGI

六日のアヤメさん、趣味の制作では何をやるにしても工具がないと無理ですね。竹細工も師匠の工具がいつも順番待ちです。あとひと組作ってもらわないと。
by GGI (2012-12-15 11:37) 

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