おおむた港まつり [某月某日@九州]

私は生来のお祭り好きです。子供のころは、祭り囃子の鐘太鼓が聞こえてくると、ウキウキとして家から飛び出して行ったものでした。といっても、私が育った大牟田では山車を引きまわす祭りは、年に一度の大蛇山祭りだけでした。6月末くらいから、お囃子の練習が始まり、風に乗って「ジャンジャンジャン、ジャジャリコ、ジャン、・・・・」というリズムが聞こえてくると浮足立ったものでした。
しかし、私が18歳で上京して以来、50年近く大蛇山祭りを見ていませんでした。今回実家に帰省した際ちょうど「おおむた港まつり」が開かれていました。大蛇山の山車が出るというので見に行きました。本来の「大蛇山祭り」は7月末に行われ、その時は10輌以上の山車が出るようです。今回の港祭りでは山車は1輌だけでしたが50年前の子供のころの思い出を呼び覚ますには十分でした。

これが大蛇山の山車です。大蛇山というのは、三池地方に伝わる水神信仰がもとになっているようです。蛇や龍を水の神の象徴とする水神信仰、祭神を悪病よけや農業の神とする「祇園」、農業に関係するこれらの信仰が絡み合い、祇園のお祭りに大蛇が取り入れられ「大蛇山」ができたと考えられます(大牟田「大蛇山」まつりホームページより)。
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これが大蛇山の顔のアップです。子供のころはこの大蛇の顔つきが何とも恐ろしげに見えたものです。それと山車全体がもっと大きかったような記憶があります。
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大蛇の髭や牙が誇張され、いかにもおどろおどろしく作られています。
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時々口から煙を吐きます。夜になると花火の火花をまき散らしながら行進します。
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口から煙を吐いている様子を動画で示します。


これは大蛇の目です。祭りの翌日には、この目のほかに、耳や牙などを神輿に乗せて売り歩きます。飲食店などでは、縁起物としてこれらが神棚に飾られていました。
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これは「咬ませ」といって、子供を大蛇の口の中に入れて無事な成長を祈るものです。子供からすれば、恐怖以外の何物でもありません。ほとんどの子供が泣き出してしまいますが、稀にはこのように咬まされるのを楽しんでいる子もいます。
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いよいよ大蛇山の運行です。「よいさ!よいやさ!」の掛け声とともに、練り歩いて行きます。昔に比べると、「ジャンジャンジャン、・・・」の音程が低くなったように感じましたが、単に私の耳が悪くなり、高音域が聞こえなくなっているせいかもしれません。

山車の屋根の上には若い衆が三人ほど乗って指揮をしたり、発煙筒をたいたりしています。
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いつもは祭囃子の鐘太鼓は若い衆が叩いていますが、このように子供囃子になることもあります。
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これは50年前にはなかったことですが、女性が10数名山車の後から行進していました。
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大蛇山の山車の運行の様子を動画で示します。


子供のころの思い出は、いくつになっても心の奥底に仕舞われています。それが現実と付き合わされるとき、わずかな違いも大きな違いのように感じますが、ほんとうは些細なことかもしれません。
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コメント 5

MADONNA

すごい迫力ですね・・たしかに小さい頃にこれを見たら 夜、怖いだろうな〜と思います〜☆
by MADONNA (2012-07-19 20:29) 

ため息の午後

見事な龍のお祭りですね。
女性の参加はお祭りが華やいでいいですね(笑)。
by ため息の午後 (2012-07-19 20:31) 

ryuyokaonhachioj

素敵なおまつりですね。竜の山車に女性も
参加しての・・・勇壮さも感じます・・・
by ryuyokaonhachioj (2012-07-19 21:20) 

六日のアヤメ

1昨年法事で帰省した折大蛇山の最終日、全部の大蛇が集合したのを見ました。昔と違って白い大蛇・紫など色や形も様々で個性があり迫力がありました。近年「町おこしや・お祭りブーム」で東京やハワイ・東北のイベントにも参加したようでした。絵本作家・内田麟太郎さんに(大牟田出身}お願いして、10数年前「わらう大蛇山」という絵本ができました。このほど復刊され、28日・29日にサイン会も行われるようです。私事ですが子供達に読んで聞かせた感想文を昨年亡くなった恩師に送ったのが、有明新聞に掲載されたことがありました。子供達が健やかに育つようにと言うことで、大蛇の「牙」を諏訪神社から送って頂いた事がありました。
by 六日のアヤメ (2012-07-20 07:36) 

GGI

たくさんのnice!ありがとうございます。

MADONNAさん、コメントありがとうございます。大人の目で見る大蛇と子供の目で見る大蛇は大きく違いますね。

ため息の午後さん、コメントありがとうございます。50年前は女性は参加していませんでした。確かに女性の参加は祭りが華やぎますね。

ryuyokaonhachiojさん、コメントありがとうございます。時代とともに祭りの様子も変わってきますね。

六日のアヤメさん、コメントありがとうございます。大蛇山には人それぞれの思い出がありますね。
by GGI (2012-07-20 15:45) 

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